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に、特にサイスミックイメージングにおいて革新的な進歩があった。さらに、一式のデータを収集、処理、解釈するのにかかる時間とともにコストも減少した。この進歩は、何か一つのブレークスルーによるものではなく、4つの技術が一斉に進歩した結果である。それは、サイスミックデータの収集技術、処理技術、コンピュータのハードウェア、及び解釈/表示技術である。
3−Dサイスミックデータ収集
データ収集装置の進歩にはめざましいものがある。レコーディングシステムは48chから2000chになり、シングルストリーマ、シングルソースだったのが8ストリーマ、4ソースとなって、1側線で32ラインのサイスミックデータが収集できるようになった。また、GpSとディジタルコンパスの開発により、測位精度が格段に向上した。
3−Dサイスミックデータ処理
データ処理はこの20年間で驚くほど変わった。大変機械的なことではあるけれど、非常に重要なデータ処理の段階として、幾何学的なこと、即ちナビゲーションデータの処理や、サイスミックデータの区分け整理である。サイスミックトレースを適切な区分を割り振り、各区分に均等にデータが配置されないのをどうするか、という作業は非常に重要である。
イメージングはここ2−30年に開発された最も劇的な技術である。非常に複雑な音速モデルと膨大なデータを取り扱えるようになったことによって、プレ及びポストスタックの海底下イメージを時間及び深度べースで作れるようになった。図4及び5に近年のイメージング性能を例を示す。図4は、2−Dマイグレーションの例で、左側を断層で切られ、右側にほぼ水平な層状のあるドームの高品質イメージである。しかしながら、高品質ではあるけれど、間違ったイメージである。
図5は3−Dマイグレーションの結果である。ドームがないことが分かる。2−Dマイグレーションで現れたドームは、横方向の反射が、面外の地震波エネルギーによるものである。3−Dイメージも非常に高品質である。そして地質構造を正確に表現している。
コンピュータ技術
20年前は、紙の上に色鉛筆でマーキングして解釈していた。現在は、会話型ワークステーションが解釈のための標準機になっている。20年前は、データ処理は、大型コンピュータ上でバッチ処理で行われた。現在では、ほとんど、高性能のスーパーコンピュータあるいは並列演算処理機(MPPs)で行われている。
我々は皆、コンピュータ技術の恐るべき進展には荘然としてきた。計算速度やメモリの指数関数的な進展については、コストの低減とともによく言われている。我々地球物理学者は、これら技術の発展になんら寄与してはこなかったけれど、その能力をはよく取り入れてきた。10年前には、考えられなかった計算を、今は、日常のこととして実施している。さらに、一度の計算結果に満足する必要がないくらいに、速くできる。したがって、より良いパラメータを見いだし何度も計算できる。
計算速度やメモリ容量で計算能力の増強を示す代わりに、図6に、一定データのマイグレーションコストを示すことによって、コンピュータハードウェアの能力の向上の結果を示す。明示的ではないが、所要時間も同じ傾向を示すであろう。即ち、図6はデータ処理が、この20年間で非常に安く速くできるようになったことを示している。1975年には、3−Dポストスタック時間マイグレーションは、非常に金がかかり、多くの時間も費やさねばならなかった。したがって、ほとんど行われなかった。今日では、二桁安いコストで、スーパーコンピュータなら1日で、MMPなら数時間でできてしまう。同様に10年には、3−Dプレスタック深度マイグレーションは非常にコスト高であったため、実際的には不可能であった。しかしながら、今日では、未だ高価ではあるが、複雑な構造を表現したり、反復計算したりする技術を使っている。
解釈
上述コンピュータに関する論議は、データ

 

 

 

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